三菱エコキュートには、電気代を抑えるための節電モードが搭載されています。レベル1とレベル2の2段階があり、それぞれ沸き上げ量の抑制の強さが異なります。太陽光発電を導入している家庭では、このモードの選び方や切替のタイミングが自家消費効率にも影響するため、仕組みをひととおり整理しておくとよいでしょう。
節電モードは、過去2週間のお湯の使用量をエコキュートが自動学習し、その実績をもとに沸き上げ量を絞る仕組みです。レベルを上げるほど省エネ効果は高まりますが、湯切れのリスクも上がります。どちらを選ぶかは、家庭のお湯の使い方と太陽光発電の運用方針によって変わります。
この記事では、節電モード1と2の具体的な違いを中心に、各モードが向いている家庭の特徴、太陽光発電と組み合わせたときの活用ポイント、そして設定を切り替える際の注意点をまとめます。
節電モード1と2の違いを整理する
節電モードの基本的な仕組みと、レベル1・レベル2それぞれの特徴を確認します。設定の強さによって省エネ効果と湯切れリスクのバランスが変わるため、自分の家庭に合ったレベルを選ぶ判断材料になります。
節電モードの基本的な仕組み
三菱エコキュートの節電モードは、過去2週間のお湯の使用実績をもとに、翌日の沸き上げ量を通常より抑える機能です。「おまかせ」モードで学習した使用量データを活用し、必要最小限のお湯だけを沸かすことで消費電力を削減します。
設定はリモコンの「節電」ボタンを押すたびに「切→レベル1→レベル2→切」と順に切り替わります。初期設定は「切」になっているため、使い始めのうちは節電モードが働いていないことがほとんどです。なお、沸き上げ設定を「多め」にしているときは節電モードを設定できません。
設定後はリモコンに「電力削減量の目安 約〇〇Wh/日」と表示されるため、どれくらい省エネになっているかを数値で確認できます。
節電モード1の特徴
レベル1は、過去の平均的な使用量から沸き上げ量を緩やかに抑えるモードです。削減幅は控えめで、急にお湯の使用量が増えた日でも湯切れになりにくいため、節電モードを試したことがない方の最初の設定として適しています。
お湯の使い方が日によって変動しやすい家庭や、家族の人数が多めで使用量が読みにくい家庭でも、比較的安心して継続しやすいレベルです。
節電モード2の特徴
レベル2は、レベル1よりも積極的に沸き上げ量を絞るモードで、省エネ効果はより高くなります。節電量の目安として、お湯の使用量が少ない2人住まいのシニア世帯では1日あたり約90Whの削減が出た事例があります。月換算で約2.7kWh、金額にすると条件によっては月数十円程度の削減になります(使用状況・電力プラン・地域によって異なります)。
ただし、沸き上げ量が最低限に絞られるため、来客や季節の変わり目など急にお湯の使用量が増えた日には湯切れのリスクが高まります。冬場にタンクの残湯目盛りがギリギリになりがちな家庭は、レベル2の設定は避けたほうが無難です。
レベル1:湯切れを避けながら節電を試したい/家族人数が多い・使用量が不安定
レベル2:お湯の使い方が毎日ほぼ一定/使用量が少なめで余裕がある
レベル2は設定前にしばらく残湯目盛りを確認し、余裕があると判断してから切り替えるとよいでしょう。
- 節電モードは「切→レベル1→レベル2」の順にリモコンで切り替える
- レベル1は緩やかな抑制でリスクが低く、レベル2は省エネ効果が高い分、湯切れリスクも上がる
- 「多め」設定中は節電モードを有効にできない
- 設定後はリモコンに日あたりの電力削減量の目安が表示される
- 冬場や家族が多い場合は残湯目盛りを確認しながら運用するとよい
太陽光発電と組み合わせた節電モードの活用
太陽光発電を導入している家庭では、節電モードの設定に加えて昼間の余剰電力をエコキュートに回す連携機能を活用することで、自家消費効率をさらに高められます。三菱エコキュートには複数の太陽光連携機能があり、導入している設備に応じて選択肢が異なります。
お天気リンクAI(HEMS連携)
三菱HEMSと組み合わせた「お天気リンクAI」は、天気予報と過去の太陽光発電量実績から翌日の発電量をAIで予測し、夜間の沸き上げと昼間の余剰電力活用を自動で最適化する機能です。三菱電機の公式サイトでは、接続可能な太陽光発電システムのメーカーに制約はないとされています。
「余剰活用モード」と「売電優先モード」の2つがあり、余剰活用モードは発電した電気を優先的にエコキュートの昼間沸き上げに回します。売電優先モードは自家消費分を超えた余剰が出た場合に昼間沸き上げを停止して売電を優先します。設定は三菱HEMSの専用アプリで行い、リモコンでは操作できません。
なお、2022年3月にHEMSの新規受注は終了しているため、これからHEMS連携を新規に導入する場合は後述の「お天気リンクEZ」が選択肢となります。最新の対応状況は三菱電機公式サイトでご確認ください。
お天気リンクEZ(アプリ連携)

「お天気リンクEZ」は、HEMSを使わずに天気予報とエコキュートを連携させる機能です。無線LANアダプター搭載リモコンセットと専用アプリ、インターネット接続環境が必要で、専門業者による工事も必要になります。
HEMSほど細かい制御はできませんが、比較的シンプルな構成で昼間の余剰電力活用に対応できます。機種や設備の対応可否は三菱電機公式サイトの各製品仕様ページでご確認ください。
節電モードと太陽光連携の組み合わせ方
太陽光発電の余剰電力が見込める晴天日は、昼間にエコキュートを動かして自家消費を増やすことができます。この場合、夜間の沸き上げ量が減るため、節電モードを高めに設定していても湯切れのリスクを抑えやすくなります。
一方、曇天や雨天が続く日は発電量が不足し、夜間の沸き上げに頼る割合が増えます。こうした日が続く場合は節電モードのレベルを一時的に下げるか、「おまかせ」に戻しておくと湯切れを防ぎやすくなります。
| 状況 | 推奨する節電モード設定 | 理由 |
|---|---|---|
| 晴天が続く・発電量が安定している | レベル2(または連携機能に委ねる) | 昼間の余剰で補えるため夜間沸き上げを抑えやすい |
| 曇天・雨天が続く | レベル1またはおまかせ | 発電量不足で夜間に依存するため抑えすぎない |
| 来客・長時間入浴など使用量増加が予想される日 | 切またはレベル1 | 湯切れ防止を優先する |
- 太陽光発電の余剰電力が多い日は節電モードを高くしても湯切れリスクを抑えやすい
- 晴天・曇天・来客などによってモードを柔軟に切り替えるとよい
- 連携機能(お天気リンクAI・EZ)を使う場合は専用アプリでの設定が必要
- 余剰電力がエコキュートの消費電力を上回らないと連携運転は動作しない
節電モードと連動する省エネ制御の仕組み
三菱エコキュートには、節電モード以外にもお湯の使用実績を活かした省エネ制御機能が搭載されています。これらを理解しておくと、節電モードの効果をより正確に把握できます。
おまかせモードと学習制御
三菱電機の公式サイトでは、「おまかせ」モードについて「過去2週間の使用湯量を学習し、最適なお湯の量を自動でわかします」と説明されています。沸き上げ温度は約65℃〜85℃の範囲で自動調整され、無駄の少ない運転を行います。
使い始めは学習期間のため最適化に2週間ほどかかります。頻繁にお湯が足りなくなる場合は「多め」に変更することになりますが、消費電力量が増える場合がある点は三菱電機の公式案内でも明記されています。
集中湯量不足分わき増しと湯切れ防止
「おまかせ」モードでは、1日のうち集中的にお湯を使う時間帯の使用量も学習し、不足が予測される場合は昼間に自動でわき増しを行います。「湯切れ防止わき増し」はシャワー約1回分(約80L、42℃換算)を確保する仕組みです。
節電モードを設定している場合、この学習データをもとに沸き上げ量を抑えるため、通常の「おまかせ」よりも昼間わき増しが発生しにくくなります。ただし、実際の使用量が学習値を大きく上回った日は、昼間の割高な時間帯に電気を使ってわき増しが動く可能性があります。
アシスト湯はりとヒートポンプ保温
三菱電機の公式サイトでは、「アシスト湯はり」はヒートポンプユニットで沸き上げたお湯と水道からの水を混合して湯はりを行うことで、冬期給湯保温モード効率を約2%改善するとされています(家庭用ヒートポンプ給湯機JIS C 9220負荷条件による比較)。
「ヒートポンプ保温」は浴槽のぬるくなったお湯を熱交換器を通して温め直す機能で、追いだきと比較してエネルギー効率よく保温できます。「ふろ自動」ボタンを押すと、これらの機能がおまかせで省エネ運転を補助します。対応機種は製品仕様により異なります。
おまかせモード:2週間の使用量を学習して自動沸き上げ
節電モード1・2:学習値よりさらに沸き上げ量を抑える
アシスト湯はり/ヒートポンプ保温:湯はり・保温のエネルギー効率を高める
太陽光連携:余剰電力で昼間沸き上げを行い購入電力を削減
- おまかせモードが基本で、節電モードはその上に重ねる設定
- アシスト湯はりとヒートポンプ保温は「ふろ自動」で自動作動する
- 節電効果は省エネ制御の組み合わせによって生まれる
- 学習精度は使い始めから約2週間で安定する
節電モードの設定変更が必要なタイミング
設定したら終わりではなく、生活の変化に応じてモードを見直すことが、節電効果と快適さの両立につながります。どのようなタイミングで設定を変えるとよいか、具体的な場面を整理します。
家族の人数や生活パターンが変わったとき
家族が増えたり、就学・進学・勤務形態の変化で生活リズムが大きく変わったりした場合、エコキュートの学習データと実際の使用量がずれることがあります。こうしたタイミングでは、一度節電モードを「切」に戻し、おまかせモードで2週間ほど再学習させてから、残湯目盛りの余裕を確認してレベルを再設定するとよいでしょう。
逆に、子どもの独立や長期不在など使用量が減った場合は、レベル1からレベル2へ切り替えるチャンスです。
電力プランや太陽光発電の運用を変えたとき
電力会社の料金プランを変更した場合、エコキュートの「電力契約モード」も合わせて見直す必要があります。深夜電力が適用される時間帯が変わると、節電モードの沸き上げ抑制が意図した時間帯に働かなくなることがあります。
太陽光発電の売電単価や余剰電力量が大きく変わった場合も、連携機能の設定と節電モードのレベルの組み合わせを再確認するとよいでしょう。FIT制度の買取単価は毎年度改定されるため、最新の単価は資源エネルギー庁またはFIT・FIPポータルサイトでご確認ください。
季節ごとの見直し
冬は水温が低くお湯の需要が増えるため、夏に比べて節電モードによる湯切れリスクが高まります。秋口から冬にかけて残湯目盛りがギリギリになってきた場合は、レベルを1段階下げるか切に戻すことを検討してください。
春から夏にかけては使用量が減りやすく、太陽光発電の余剰電力も増えるため、節電モードの効果を最も発揮しやすい季節です。
・残湯目盛りがよく下がる→レベルを下げるかおまかせに戻す
・家族構成や生活リズムが変わった→一度切に戻して再学習
・電力プランを変更した→電力契約モードも確認
・冬になってお湯が足りなくなった→レベル1または切に変更
- 生活パターンが変わったら一度切に戻して再学習させる
- 電力プランの変更時は電力契約モードの設定も必ず確認する
- 冬は湯切れリスクが上がるため節電レベルを下げることも選択肢
- 太陽光発電の運用方針が変わった場合は連携機能の設定と合わせて見直す
まとめ
三菱エコキュートの節電モード1と2の最大の違いは、沸き上げ量を抑える強さです。レベル1は緩やかな抑制で湯切れリスクが低く、レベル2は省エネ効果が高い分、使用量が増えた日の湯切れに注意が必要です。
まずはリモコンの節電ボタンを押してレベル1に設定し、数日間残湯目盛りに余裕があることを確認してから、必要に応じてレベル2への切り替えを検討するとよいでしょう。太陽光発電を導入している場合は、晴天が続く時期に合わせてレベルを上げるという使い方も有効です。
エコキュートの設定は一度決めたら終わりではなく、季節・家族構成・電力プランの変化に応じて定期的に見直すことが、電気代と快適さを両立させるうえで大切です。疑問な点は三菱電機の公式サイトや販売店・施工業者の窓口にご相談ください。


